小川 千尋さんに聞く

前回の続きです。

小川千尋さんに伺いました。

岡 小川さんも子供の頃からお絵かきが好きだったんですか?

小 はい。私は、弟がいるんですけど、子供の頃母と弟がお昼寝しているときに、私は寝ないでお絵かきをしてました。絵は一枚の中に色んな世界が表現できるのが好きでした。あと、描いているときの触感も好き。鉛筆で描くときの手に伝わる感じとか。

岡 やっぱり小川さんのご家族も絵を描く方いらっしゃるの?

小 絵というか、どちらかというと職人の家系かもしれません。祖母がネーム刺繍の仕事をしてたのですが、ただ決まりきったパターンのネームではなく、機械にはない旧漢字などを手振り刺繍する仕事をしてました。

岡 弟さんもアート系何かなさいますか?  

小 弟は、アートというより音楽かな。ギターを演奏します。

岡 本格的に絵を描くようになったのは?

小 高校で美術専攻しました。将来も美術の道に行きたいと思うようになりました。でもその頃は私、美大といったら女子美しか知らなくて。それから段々と他にも美大があることが分かって、結果的には東京芸大にということになりました。

岡 小川さんは、なんと現役合格されているんですよね。凄いです。

小 ラッキーでした。

岡 小川さんも最初油で、それから日本画に転向されてますよね。どうしてですか?

小 日本画の絵の具そのものの質感がまず好きだったのと、岩絵具の色の発色の強さ、東洋独自の平面的な空間表現、感覚に惹かれて、やってみたくなりました。

岡 モチーフとして、子供やいわゆる童子を描いてますよね。

小 もともと人を描くのが好きでした。人の表層そのものはもちろん、その人の内面が表に現れているような絵を描きたいと思ってきました。子供は、思っているところがそのまんま出て来るというか、計算がないところが好きです。

岡 早く子供が欲しいとか。

小 今だから描ける子供を描きたいです。まだ子供がいないからこそ、少し距離を取って見られるというか、むしろ同じ目線というか(笑)。
今、4歳から中学生までを造形教室で教えているのですが、彼らの発想は面白いですね。反応がダイレクトで繕いが無くって、インスピレーショ

岡 仏像などの童子はどうですか?

小 仏教だけでなくキリスト教もですが、私自身宗教に対して少しだけ距離があるんですね。それは子供に対しても同じですが、少し客観的に見ることがが出来るというか。それ故の面白さがあるかと思います。
フラットな視線で受け止められるというか。

岡 日本人そのものですね。
日本人の何もかも一旦受入れて咀嚼するという性格は、なかなか美徳だと私は思いますね。

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