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日本で見られるマネ作品|所蔵美術館と代表作を全国から紹介

日本でマネを見たいと思ったとき、最初に確認したいのは「どの美術館が所蔵しているか」と「いま展示されているか」は別だということです。油彩を持つ館もあれば、パステルや版画を中心に所蔵する館もあります。旅行や美術館巡りの予定を立てるなら、この違いを押さえておくと選びやすくなります。

2026年9月時点では、国立西洋美術館、アーティゾン美術館、東京富士美術館、ポーラ美術館、ひろしま美術館、メナード美術館などにマネ作品が所蔵されています。油彩を中心に見たうえでパステルや版画まで広げると、日本にあるマネ作品の幅を理解しやすいと思います。

国立西洋美術館|油彩3点を所蔵

《ブラン氏の肖像》/エドゥアール・マネ/1879年頃/油彩・カンヴァス/194.3×126.0cm/国立西洋美術館所蔵
《ブラン氏の肖像》/エドゥアール・マネ/1879年頃/油彩・カンヴァス/194.3×126.0cm/国立西洋美術館所蔵

東京・上野の国立西洋美術館は、《花の中の子供(ジャック・オシュデ)》《ブラン氏の肖像》《嵐の海》という3点の油彩を所蔵しています。

三作は性格がかなり違います。《花の中の子供》では明るい色彩と庭の空気、《ブラン氏の肖像》では2m近い縦長画面に立つ都会的な男性像、《嵐の海》では荒れた海の動きが主役になります。一館で「人物画のマネ」だけではない幅を見られる点が魅力です。

国立西洋美術館で展示状況が案内されることもあるため、来館前に確認しておくと安心です。所蔵されていても、展示替えや、他の美術館への貸出で見られない時期があるからです。

アーティゾン美術館|日本にあるマネの《自画像》

《自画像》エドゥアール・マネ 1878–79年 油彩・カンヴァス 95.4×63.4cm 石橋財団アーティゾン美術館所蔵
《自画像》 エドゥアール・マネ 1878–79年 油彩・カンヴァス 95.4×63.4cm 石橋財団アーティゾン美術館所蔵

東京・京橋のアーティゾン美術館では、石橋財団コレクションの《自画像》を所蔵しています。マネは自画像を大量に残した画家ではないため、自分自身をどう描いたのかを見るうえで貴重な作品です。

暗い背景から上半身が浮かび、黒を基調としながら、顔やシャツ、手元へ光が集まります。晩年の病状が悪化する少し前の作品として見ると、人物画の技法と本人像の両方を考えやすくなります。

アーティゾン美術館もコレクション展示の内容が変わります。《自画像》だけを目的に訪れる場合は、当日の展示情報を確認するのがよいでしょう。

「へ~」「そうなんだ!」朝の1分、ちょっと朝活

Q1. モネはなぜ同じ景色を何枚も描いたの?
Q2. ゴッホの『ひまわり』は何枚あるの?
Q3. 印象派という名前は誰が付けたの?

この3問の答えは、登録後すぐにメールで届きます。

登録無料・毎週火曜朝7:30ごろ・いつでも配信停止できます。

東京富士美術館|油彩と版画を分けて見る

東京富士美術館の収蔵品検索には、マネ名義の作品が多数登録されています。ただし、その件数をそのまま「油彩の数」と考えることはできません。油彩《散歩(ガンビー夫人)》のほか、マネのオリジナル・エッチング集に含まれる版画や表紙も個別に登録されているためです。

《散歩(ガンビー夫人)》は1880~81年頃の油彩で、黒い衣装の女性を緑の庭を背景に描いています。晩年の軽い筆触と黒の使い方に着目すると、若い頃の作品との違いを理解しやすいと思います。

版画には《オランピア》《ベルト・モリゾ》《悲劇役者》《スペインの歌手》など、油彩で知られる主題もあります。同じ図像でも、線で作る版画と色面で作る油彩では見え方が変わります。油彩と版画で技法がどう変わるのかを比べると、同じ主題でも印象が違うことがよく分かります。

ポーラ美術館|初期油彩と晩年パステル

箱根のポーラ美術館では、油彩《サラマンカの学生たち》と、パステル《ベンチにて》を所蔵しています。前者は1860年、後者は1879年です。

この二作は制作時期も技法も離れています。初期のスペイン趣味と、晩年の柔らかなパステル表現を一館で比べられる点が面白いところです。初期と晩年の作品を年代順に見ると、画風の変化を理解しやすいと思います。

ひろしま美術館|ベルト・モリゾを描いた油彩

《バラ色のくつ(ベルト・モリゾ)》/エドゥアール・マネ/1872年/油彩・カンヴァス/46.4×32.5cm/ひろしま美術館所蔵
《バラ色のくつ(ベルト・モリゾ)》/エドゥアール・マネ/1872年/油彩・カンヴァス/46.4×32.5cm/ひろしま美術館所蔵

ひろしま美術館には《バラ色のくつ(ベルト・モリゾ)》が所蔵されています。1872年、油彩・カンヴァス。マネが何度も描いたベルト・モリゾの肖像の一つです。

《バルコニー》や《すみれの花束をつけたベルト・モリゾ》と見比べると、同じ人物を描いても距離、姿勢、衣装によって印象が大きく変わることが分かります。マネとモリゾの関係に興味がある人には、特に見ておきたい国内所蔵作です。

同館には《灰色の羽根帽子の婦人》もあり、油彩とパステルの両方からマネの女性像を見ることができます。

メナード美術館|スペインへの関心と晩年の人物像

愛知県小牧市のメナード美術館では、《杖を持つ男(ベラスケスによる)》と《黒い帽子のマルタン夫人》を所蔵しています。前者は1865年頃の油彩・板、後者は1881年のパステルです。

若い時期のスペイン絵画への関心と、晩年のパステル肖像を一緒に見られる組み合わせです。制作年を踏まえて二作を比べると、マネの画風の幅を理解しやすいと思います。

油彩、パステル、版画を同じ「1点」で数えない

国内所蔵を調べるときに少し注意したいのが、作品数の数え方です。油彩、パステル、素描、版画、書籍挿絵はそれぞれ別の媒体です。版画集では一冊の中の各図版が個別作品として登録されることもあります。

「日本にマネは何点あるか」より、「油彩を見たいのか」「パステルを見たいのか」「版画まで含めたいのか」と目的を分ける方が、実際の鑑賞には役立ちます。

油彩を見たいなら国立西洋美術館やアーティゾン美術館、版画まで見たいなら東京富士美術館というように、目的に合わせて美術館を選べます。

所蔵作品が、いつでも展示されているとは限らない

美術館が所蔵していても、常設展示されているとは限りません。貸出、展示替え、保存上の理由などで収蔵庫に入ることがあります。とくにパステルや版画は展示期間が限られる場合があります。

遠方から特定の作品を見に行く場合は、来館直前に公式サイトの展示情報を確認するのが確実です。作品ページで分からない場合は、美術館へ問い合わせるのもよいでしょう。

日本でマネを見るなら、制作年代にも注目したい

国内には初期、1870年代、晩年の作品がそれぞれあります。どの館に何があるかだけでなく、制作年代を確かめながら見ると、作品ごとの違いを理解しやすいと思います。

マネの生涯と作品の流れを先に押さえておくならエドゥアール・マネとは、国内の西洋美術をもう少し広く巡るなら日本の美術館で見られる世界の名画へ進むと、美術館選びの幅も広がります。

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