パステル絵の具は、顔料の『粉』を固めたもの
パステルカラーといえば、
淡く柔らかい色合いを連想しますね。
パステルという言葉は日本語として浸透していますが、
意外とパステル絵具はどんなものか知られてません。
パステル絵の具は、顔料の粉を固めたものです。
紙に描いたときは顔料の粉が紙面に乗るだけですので、
紙に定着されているわけではないのです。
紙をトンと立てたり爪で引っ掻いたりすると
絵具が簡単に落ちてしまいます。
また顔料同士は混ざらないので、
細かい粒子がそれぞれ紙の上に乗った状態です。
カラーの小麦粉を置いた状態
と言ったら連想しやすいでしょうか。
非常に繊細な状態なのです。
そこでパステルを使うときには、
なるべくボコボコと凹凸がある紙を用います。
また描きながら、
頻繁にスプレー状の定着剤(フィキサチフ)を吹き、
それで定着させます。
パステル画家の若菜由三香さんが描くところを見ていると、
それこそ画面が濡れるほど吹いています。
このようにとてもデリケートなパステル画ですが、
透明感のある、空気を含んだようなパウダリーな質感は、
他の画材では出せない特別なものです。
(ライター 晶)
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