毎日大量に受け取る商業チラシや手紙類、その中にアートに関するものが含まれていることがありませんか?
展覧会や作家毎に異なるこのチラシ類は、DM(ダイレクトメール)とかパンフレット、ご招待状などと呼ばれています。印刷したものがまだ主流ですが、最近は印刷をせずデジタルデータのまま配布されたり、SNSで展覧会告知をし、ご招待状を印刷しないことも増えてきました。印刷物は手触りや質感でも展覧会コンセプトを表現できるというメリットがありますし、わざわざスマートフォンを見るというアクションをしなくても情報が目に飛び込んでくるという効果があります。
しかしながら印刷物の場合、「完成してない絵を間違えて載せてしまった!」とか「百貨店美術展の最終日が百貨店の定休日と重なっていた!」等のとんでもないミスが時々あります。(私も何度冷や汗をかいたことか・・・。)
半面、デジタルデータやSNSでの告知は、リアルタイムで修正も出来ますので社会状況の変化に対応しやすく、また気軽にメンションしたり転送したりして拡散できるという効果があります。どちらも一長一短ですね。
さてこのDMやパンフレットですが、デザイナーは非常に苦労しながらデザインしていることをご存知ですか。展覧会コンセプト、作家の個性、今回の展覧会でフィーチャーしたいこと、イベントがあればそのイベントの内容、作家の顔写真にプロフィール、そして何よりも作品そのもの画像・・・・外国の方にも知っていただきたいとなると日本語だけでない表記も求められます。全部載せたいのはヤマヤマなのですが、そうすると大切な情報が埋もれてしまいますし散漫になってしまいます。入れる情報を取捨選択し、絞ったうえで手に取った方に「この展覧会に行きたい!」と思わせるDM作りは、まさにデザイナーの腕の見せどころなのです。
今度からは、ぜひお手に取ったDMをじっくり眺めてみてくださいね。
(ライター晶)
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