七宝とガラスの違いは、金属の板だった!
「七宝焼き」って聞いたことがありますか?
美味しそうに聞こえますが、食べることはできません・・・。
七宝は金属板にガラス質の釉薬を付けて焼成したものや、その技術です。
その起源ははっきりしないのですが、紀元前十数世紀以前からエジプトやキプロスには存在していたようです。ヨーロッパでも盛んに作られていて、ヴェネツィアにあるサン・マルコ寺院祭壇の後ろの装飾にも使われたりしていました。日本には6世紀か7世紀くらいに入ってきたそうで、正倉院にも宝物があります。
近代、日本では明治政府の後押しもあって七宝の美と技術が世界最高の水準まで極められました。主に輸出用に制作された七宝の逸品は万国博覧会でも好評を博し、ジャポニズムブームの一端を担いました。赤坂にある迎賓館の花鳥の間には、日本を代表する芸術ということで七宝技術による最高傑作の作品が30枚飾られています。また宮内庁の三の丸尚蔵館でも、皇室が所有する素晴らしいコレクションが時折展示されています。(現在は新施設への移転準備中とのことで休館しています。)
仏教の七つの珍宝のように美しく素晴らしい、ということから「七宝」と呼ばれるようになったそうで、英語ではエナメル、フランス語ではエマーユと言います。
ガラスと七宝はどう違うの?というのが素朴な疑問なのですが、ガラスと金属板が焼成されて融合しているのが七宝。ガラスのみが融合(ガラスフュージング)しているのがガラスということです。
(ライター晶)
コメント