良寛が遺した「月もありけり花もありけり」から着想を得た2人展「月も花も」――多層ガラス絵の齋藤悠紀と日本画の穴澤和紗

月も花も~多層ガラス絵と日本画~ 齋藤悠紀&穴澤和紗2人展 展覧会概要

月も花も
~多層ガラス絵と日本画~
齋藤悠紀&穴澤和紗2人展

7月9日(水)~14日(月)
※最終日は午後4時終了
新潟伊勢丹7階イセタンアートギャラリー

月と兎を題材に、今昔・和洋の表現を結びひとつの世界を描く齋藤悠紀氏と、命あるものの一瞬の煌めきを花や月に託し描き出す穴澤和紗氏。若き両画家の瑞々しい感性が織りなす作品およそ50点を、ぜひ会場にてご堪能ください。会期中は両作家とも全日在廊いたします。本展のタイトル「月も花も」は、越後出身の僧・良寛が遺した「月もありけり花もありけり」の言葉から着想を得ました。

期間中、会場内にてエムアイカードで55,000円以上お買い上げのWメンバーさま(三越伊勢丹アプリにエムアイカードを連携のお客さま)に、各画家オリジナルエコバッグを各3名さま(計6名さま)にプレゼントいたします。 

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齋藤悠紀 Yuki Saito

出品作品より

齋藤悠紀「汽笛」(steam whistle)、多層ガラス絵(3層)、46.5×58cm
齋藤悠紀 「玄兎あそび」(Moon play)、多層ガラス絵(3層)、15.3×15.3cm

多層ガラス絵とは

 多層ガラス絵は、齋藤悠紀氏が生み出した表現技法です。彼は「鳥獣戯画に代表される絵巻を折り畳み、時間表現を1つの額縁の中で描けないだろうか」という思いから、この技法を生み出しました。
 ガラス絵は裏側から描かれることで、美しい濡れ色の質感を持ちます。さらに、多層ガラス絵ではガラスの透過性を活かし、後ろの絵が前の層を通して見えるため独自の空間表現が可能となります。
 この技法は、視覚的な美しさとともに、時間や空間を表現する新しい芸術形態と言えるでしょう。

多層ガラスならではの映り込みによる視覚効果は、他者との関わりを大切にする画家の哲学を表現していると言えます。
グランドと呼ばれる液体をガラス全面に流し引きし、その後にグランドをニードル(針)で削り絵を浮き上がらせていきます。これは銅版画の技法を踏襲した、齋藤氏による独自のガラス絵の描き方です。

Artist Bio

齋藤悠紀 Yuki Saito

1982 埼玉県川口市生まれ
2008 東京造形大学大学院造形研究科
    美術研究領域 修了
2023 個展 高槻阪急、阪神梅田本展
2024 個展 伊勢丹浦和店、神戸阪急、福屋八丁堀本店
2025 個展 伊勢丹立川店、池袋東武
他多数

穴澤和紗 Kazusa Anazawa

出品作品より

穴澤和紗「朝月夜・四季」日本画、F20
穴澤和紗「桜の声」日本画、F15
穴澤和紗「透花・あき」日本画、F4

スケッチブックを抱え旅をする

一瞬の煌めきをテーマに作品を描く穴澤和紗氏は、電車や船を乗り継ぎ、現地へ出向き、花々と出会い、その新鮮な驚きをひとつの切っ掛けとして作品に昇華しています。島根県の大根島まで泊りがけで出かけた際には、大粒の雨に打たれながらも強く咲く牡丹を見た時に「百花の王」牡丹の気高さを知り、その驚きを作品に昇華させました。

現地で丹念に描き留めたスケッチの数々――。「個展で訪れた街を、スケッチブック片手に歩きながら、新たな題材と出会うことも、創作における大きな喜びのひとつです」と、穴澤氏は語ります。
面相筆やぼかし筆が用いられ、丹念かつ繊細に描かれる花弁。金箔が用いられることもあり、作品は煌びやかに彩られます。

Artist Bio

穴澤和紗 Kazusa Anazawa

1988 千葉県船橋市生まれ
2014 武蔵野美術大学造形学部通信日本画コース卒業(卒業制作 優秀賞)

2020 個展 ちばぎんひまわりギャラリー
2023 個展 福屋八丁堀本店、船橋東武
2024 個展 銀座三越、京都大丸
2025 個展 伊勢丹浦和店
他多数

パンフレット、ポスター

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