※残念ながらピカソの「泣く女」は著作権の都合で掲載できず!
ジャコモ・バッラ(1871~1958イタリア) という画家は、「鎖に繋がれた犬のダイナミズム」という作品のなかで、犬の動きをバタ足で表現しました。尻尾も嬉しそうにフリフリしてますね。黒衣のご主人も速足で散歩している様子が描かれています。
この表現、なんだかマンガでもおなじみですね。
足がグルグルになっていて走っているように見えるとか、手をいくつも描いてそれに効果線をつけ、必殺技の動きを演出したり・・・・。それも時間の経過を表しています。
またピカソの代表作「泣く女」はご存知ですか?
超有名ですね。「なんでこんなところに目がついているんだろう? へんなかお~!」と子供の頃に思いませんでしたか?
この「泣く女」はピカソの愛人ドラ・マールがシクシク泣いている様子を描いたと言われています。
ピカソが「泣く女」に用いたキュビズム表現は、物体を多面的にとらえていると言われています。私たちが見るとき、視点は一方向からですが、そのもの自体は厳として存在するわけであり、それを表現するのに視点を一つに定めなければいけないという法律はないわけです。
なもんですから、ピカソはあっちから見た愛人の左目、こっちから見た右目をアジの開きのように描きました。鼻はとんでもないところについています。またハンカチで涙を拭い、そのハンカチを歯で噛みしめて「キーっ」と言っているところも描いています。
これはあれですね。愛人のいくつかのアクションが入っているというところから、多視点のみならず時間の経過も表していると言ってもいいのではないでしょうかね。多視点という観点自体も一人の目によれば時間の経過を伴うものではありますが。
恐らくピカソは愛人が泣き続けているのを彼女の周りをぐるぐる周りながら観察していたのではないですかね。本当はちっとも心配してないけれど、一応なぐさめるフリをして。これは私の推測です。
(ライター晶)
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