まめちしきvol.30『人々が願うもの』

齋藤悠紀 千重波ーアマビエ 銅版画

新型コロナ大流行のこの3年間、私たちの生活様式はだいぶ変わりました。
人類はその有史以来、なんどもパンデミックに晒され、私たちはそれを歴史や本のなかで知ってはいましたが、聞くのと実際に経験するのでは天地の差がありました。
この疫病流行で、歴史に埋もれていたアマビエが再発見され、私たち日本人のなかで大ブームになったのは記憶に新しいところです。
他の国でもアマビエのような疫病退散のシンボルがないか調べてみました。

ホルスの眼

黄金比にも関係のある有名なホルスの眼は、古代エジプトのシンボルです。魔除けの力があると信じられてきました。特に左目は「癒し」や「修復」の象徴とされているそうです。

カドゥケウス

2匹の蛇が杖にからみついているこのシンボルは、ギリシャ神話の神ヘルメースの持ち物。日本のしめ縄も2匹の蛇が交接している姿らしいのですが、蛇の交接はとてつもない生命エネルギーの象徴としてとらえられているのではないかと思います。病気も寄せ付けない生命力の表れですね。

ケルティック・ノット

ケルト文化のなかで生まれたケルティック・ノットは終わりも始まりもない循環するデザインです。文字を持たないケルトの人々の間では重要な意味を持つものなのだと思います。特に四角いイメージは、守護(楯)を意味するそうです。

ハムサ

手の中心に目を描いたシンボルで、ユダヤ教やイスラム教の文化圏では、身を守り、邪視を防ぐ象徴としてよく使われています。疫病を含む厄災から守ってくれると信じられています。
調べれば調べるほど、様々な守護イメージが見つかります。
人類は古今東西、健康と安寧を願ってきたのですね。

(ライター晶)

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