ふらっと入った古本屋さんで偶然見つけました。
大津絵の復刻版です。
皆さま「大津絵」って聞いたことございますか?
江戸初期から明治くらいまで人気があった民俗画です。東海道を旅する人たちのおみやげや護符として買われていたものでした。
琵琶湖の畔の大津宿の代表的土産として人気があり、当時は沢山の店があったそうですが、今では1軒だけ三井寺の近くに大津絵の店が残っております。
大津絵は当時、画家というよりも職人さんが、泥絵の具を使って描いたものでした。旅人からの需要が高まると合羽摺り(かっぱずりー型紙を用いた摺り方)や版木を使って大量生産をしたそうです。
図柄は鬼の絵や、猫と鼠、ひょうたんや、壽老人、藤娘等が人気があったみたいですね。最初は仏画が中心で、時代が下がるにつれて教訓めいた話や風刺も取り入れられていきました。見ての通り、少しとぼけた感じが愛らしいですよね。
近代になってからは、ピカソや柳宗悦にもコレクションされました。2年前には東京ステーションギャラリーで大津絵の企画展が開かれ、段々と、民俗的価値から美術的価値に位置づけを変えつつあるアートでもあります。
(ライター晶)
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