磯田先生とサカナくんのことば

平郡 香弥  「這浮」 F0号 キャンバス・油絵具
アールデビュタントURAWA2015出品作品より

先週の土曜の夜、NHKEテレで歴史学者の磯田直史先生とサカナくんの対談という異色の番組をやっていました。

私は磯田先生のファンなので、楽しみに拝見したのですが、やはり期待通りに面白い内容でした。
(先生の教え子曰く オタク頂上対談だそう!)

二人の子供の頃からぶれないヲタっぷりが可愛い!

磯田先生が小学生の頃から史跡の拓本を取るのが趣味で、クラスの女の子に「じじい」と呼ばれていたという話とか、どんなに眠くても「古墳巡り」に行くと言われると目がパチンと覚めたという話に、お腹を抱えて笑いました。

一方サカナくんも、絵を描くことが好きで妖怪が好きで、それからタコのモンスターさに「なんだこれは!」と惹かれていったという話もいい。

「武士の家計簿」で一躍メジャーになった磯田先生ですが、あの本は本当に良かった。
読み終えたとき私は震えました。

加賀藩のご算用者(今でいえば経理課)である猪原家の生き方と家訓、そして江戸から明治に時代を経ても、アカウンティングとロジスティックの技術でこの猪原家が立身出世していった事実にまず感動。

そしてこの超ド級の古文書を発見して、丹念に読み解き研究して、世に発表している磯田先生の情熱に、本当に感動しました。文間に先生の歴史に対する情熱と執心が見え、読み進めるにつれて、この学者は凄いと!

それからテレビで知るようになった先生ですが、今回の番組で尚一層ファンになりましたよ。

先生が、自分がオタクであることについて
「自分が楽しいから研究する。損得とかは考えない。だから『これだけやったのに、成果が出なかったらどうしよう』と考えることがない。それが壁を超えることに繋がってきた。」と話していました。

そしたらそれを受けてサカナくんが
「でもせっかくの研究成果を自分一人だけのものにしておくのは勿体ない。他人と自分の発見の喜びを分かち合いたいと思った。そうして他の人を意識するようになったらそれが『仕事』になって、ご飯が食べられるようになっていく」といいこと言ってました~!

きっと作家もそうですよね。
まず自分を喜ばせるために、創りだす喜びを得たいから作り、そして他人のことを少し意識したら、職に繋げることが出来る。

本当に良い対談でした!

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