額縁の種類|油彩額・デッサン額の違いと選び方

絵を買ったあとに迷いやすいのが「額縁(額装)」です。額は作品を保護するだけでなく、作品の見え方や空間の印象も大きく変えます。

額縁にはいくつか種類があり、作品の素材や厚みによって適した額装が異なります。この記事では、福福堂(ギャラリー上原)が、代表的な額縁の種類である「油彩額」と「デッサン額」の違いと選び方の基本を、できるだけシンプルに解説します。

※作品や額の仕様はさまざまです。本記事では一般的な考え方として紹介しています。

ギャラリーでは、額縁が付いた状態で絵画が販売されていることが多いですが、近年はキャンバスのまま作品が販売されるケースも増えています。特にアクリル絵の具で描かれた作品は撥水性があり、紫外線にも比較的強いため、額装せずに気軽に飾める作品も増えています。

まずは、最もよく使われる「油彩額」と「デッサン額」の違いから見ていきましょう。

額縁の主な種類

額縁は大きく分けると、よく使われるのは次の2系統です。

  • 油彩額:主にキャンバス作品(油彩・アクリルなど)向け
  • デッサン額:主に紙作品(デッサン・版画・水彩など)向け

どちらが正しい、ではなく、作品の素材と厚みで相性が決まります。

油彩額とは(キャンバス作品向け)

油彩額は、キャンバス作品を入れることを想定した額です。キャンバスは厚みがあるため、紙作品のようにガラス面で押さえるのではなく、作品をしっかり「収める」設計になっています。

油彩額で額装した例(加納芳美さんのミクストメディア作品)
油彩額で額装した例(加納芳美さんのミクストメディア作品)

油彩額の特徴

  • 額がしっかりしていて存在感が出やすい
  • 作品と額の間に空間(立ち上がり)があり、立体感が出る
  • 金箔風・木目・黒・白など、表情が豊富

こんな作品に合う

  • 油絵
  • アクリル画
  • キャンバス作品
  • 厚みのあるパネル作品

仮縁(かりぶち)

仮縁は主に公募展などの展示用に使われる額です。ガラスや裏板がなく、キャンバス作品を簡易的に展示するためのフレームです。

デッサン額とは(紙作品向け)

デッサン額は、紙作品を入れることを想定した額です。一般的には、作品の上にマットを入れ、ガラス(またはアクリル)で押さえて保護します。

デッサン額で額装した例(小林功二さんのアクリル画作品)
デッサン額で額装した例(小林功二さんのアクリル画作品)

デッサン額の特徴

  • 紙作品をガラス/アクリルで保護できる
  • マットを入れることで作品が引き立つ
  • 作品を湿気や手垢から守りやすい(※環境によります)
  • 厚みが少なく壁から出っ張らないため、廊下などでも飾りやすい
  • 版画・水彩・デッサンなどの紙作品によく使われる

こんな作品に合う

  • デッサン
  • 版画
  • 水彩
  • 写真
  • ポスター(保存目的なら推奨)

マットとは?入れるメリット

マットは、作品の周りに入れる厚紙の枠(台紙)です。マットを入れると、作品の周囲に余白が生まれ、視線が作品に集中しやすくなります。

マットを入れる主なメリット

  • 作品が引き立つ(余白の効果)
  • 作品とガラス面が直接触れにくくなる(※仕様によります)
  • 小さめの作品でも、壁面にバランスよく見せやすい
  • 白系のマットであれば壁紙になじむので圧迫感が少なく、作品を楽しめます

ガラスとアクリルの違い(UVの考え方)

紙作品は光の影響を受けやすいことがあるため、ガラス/アクリルの選択も大切です。

  • ガラス:傷つきにくいが、割れるリスクがある。重い。
  • アクリル:軽くて割れにくいが、傷がつきやすい。軽い。アクリル自体がUVカット特性を持っている。

直射日光が当たりやすい場所に飾るなら、一般のアクリル板よりもさらにUV効果の高いUVカット仕様を検討すると安心です(特に紙作品)。

作品に合う額の選び方(失敗しないコツ)

1)まず「作品の素材」で決める

  • キャンバス → 油彩額が基本
  • 紙作品 → デッサン額+マットが基本

2)額は「作品より目立ちすぎない」が基本

額を主役にしすぎると、作品の良さが弱まることがあります。迷ったら、シンプルな木目・白系など、主張しすぎない色から選ぶと失敗が少ないです。

3)部屋の色に寄せるとまとまりやすい

部屋の床色・家具色・金具色(真鍮系など)に寄せると、空間がすっきりまとまります。場合によっては黒もありです。

4)飾る場所で仕様を変える

  • 玄関・廊下:軽めの額、ぶつかりにくい配置
  • 日差しが強い場所:直射日光を避ける/UVを検討
  • 湿気がこもりやすい場所:換気を意識(紙作品は特に注意)

費用の目安(考え方)

額装費は、サイズ・材質・マットの有無・UV仕様などで大きく変わります。迷う場合は、次を決めると見積が取りやすくなります。

  • 作品サイズ(号数や外寸)
  • 油彩額かデッサン額か
  • マットの有無(紙作品)
  • ガラス or アクリル(UVの希望)

※価格は店舗・仕様で差が大きいため、ここでは「考え方」のみ紹介しています。

よくある質問

Q. キャンバス作品は必ず額装した方がいいですか?

必ずではありません。キャンバス作品は額なしで飾ることも一般的です。作品の雰囲気や部屋のテイストに合わせて選ぶのがおすすめです。ただしご自宅で喫煙される方や、リビングで焼き肉をされる方は額装しておいた方が、汚れから作品を守ることができるので安心です。

Q. 紙作品は額に入れた方がいいですか?

紙作品は傷や汚れ、湿気などの影響を受けやすいことがあるため、額装(マット+ガラス/アクリル)で保護すると安心です。

Q. マットの色は何がいいですか?

迷ったら白〜オフホワイト系が無難です。作品の色が強い場合は少し生成り寄り、モノクロ作品は白で締める、など調整すると整いやすいです。

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(福福堂編集部)

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