櫻井和也が日本農業新聞に掲載されました!!

日本農業新聞 2016.3.19記事
自然の厳しさ、感謝・・・カンバスに 引きこもり→復帰「絵と農のおかげ」 兵庫県加西市・櫻井和也さん (2016/3/19)

兵庫県加西市の農業青年、櫻井和也さん(33)の描く風景画が評判を呼んでいる。農村を背景に、窓辺に置かれた果実や野菜を描いた一風変わった油絵で、農業をしながら感じた自然の厳しさとありがたさを表現した。中学校時代、不登校になって高校を中退、引きこもりも経験した櫻井さん。大好きな絵で復帰のきっかけをつかみ、今では東京などで個展を開くほどの腕前となった。絵を通し多くの人を元気づけ、同市の知名度を上げたいとカンバスに向かう。

・悩み持つ人 元気づけ
 櫻井さんの実家は、酒造好適米の「山田錦」や特産の甘長トウガラシなどを生産する農家。「集団生活になじめない」と感じ、16歳で高校を中退。農作業を本格的に手伝い始め、絵と農業が櫻井さんの心を支え続けた。洋画家になろうと決意したのは27歳。広島県尾道市で開かれた「第14回絵のまち尾道四季展」に、尾道の風景を描いた作品が入選したのがきっかけだ。

 画家としてスタートした当初は、欧州の風景などを描いていたが「自分の個性が出せない」と悩んだ。そんなとき、知り合いの画家から「農業をしているんだから、農村や農作物をテーマにしたらどうか」と勧められたことで、今の画風にたどり着いた。絵は何も見ないで想像で描くのが特徴で、細かい点を描くタッチが持ち味だ。美術教育は一切受けずに独自で編み出した。

 2月には念願だった初の個展を東京・池袋の東武百貨店池袋店の美術画廊で開催した。作品のテーマは「自然への感謝の気持ち」。作品は多くの来場者を魅了し、展示した油絵約30点の半分が1週間の会期中に売れ、来年の開催も決まった。

 画廊経営者の岡村晶子さん(48)は「櫻井さんの作品には、これからの時代が必要とする手作業のぬくもりが感じられる」と評価する。
 現在は、農業と画業に励む毎日だ。父の義博さん(67)は「今では農作業のほとんどを和也に任せている。とても頼もしい」と目を細める。カンバスに向かうのは主に農作業が終わった夜間や農閑期だ。

 11月には大阪市の阪神百貨店梅田本店で画家仲間との合同展を計画している。櫻井さんは「農業をしながらプロの画家として描き続けることが目標。自分が頑張ることで、不登校や引きこもりを経験した人に元気を与えられたらうれしい」と精力的に活動する。(前田大介)

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