習慣の力 by チャールズ・デュヒッグ

某百貨店最寄りの駅の改修工事が終わり、百貨店に行くときに本屋さんを抜けていくと一番近くなった。そうすると朝晩、本屋の棚の横を歩いて行くわけで、面白そうな表紙の本があるとつい手にとって、中身をパラパラしてしまうわけで、つい買ってしまったというわけで・・。売り場を通路として提供している本屋さんの戦略勝ち。

プロローグ

第1部 個人の習慣

第1章 「習慣」のメカニズム
行動の4割を決めている仕組みの秘密

第2章 習慣を生み出す「力」
ファブリーズが突然大ヒットした理由

第3章 習慣を変えるための鉄則
アルコール依存症はなぜ治ったのか

第2部 成功する企業の習慣

第4章 アルコアの奇跡
会社を復活させた、たった一つの習慣

第5章 スタバと「成功の習慣」
問題児をリーダーに変えるメソッド

第6章 危機こそ好機
停滞する組織をいかに変革させるか

第7章 買わせる技術
ヒット商品を自在に生み出す秘策

第3部 社会の習慣

第8章 公民権運動の真相
社会運動はどのようにして始まるのか

第9章 習慣の功罪
ギャンブル依存は「意志」か「習慣」か

エピローグ
付録 アイデアを実行に移すためのガイド

ある二枚の写真の紹介からこの本は始まる。
一枚は、太っていてどよんとした印象の女性。
もう一枚は、スレンダーで活力に満ちた魅力的な女性。

実はこの二枚の女性は同一人物である。
たった一つの習慣を止めたことにより、彼女の人生は、何もかも変化したという話。
この話に引き込まれてこの本を買ってしまった。

一つの悪しき習慣を止めたことにより、別な習慣が身に付き、そして食生活や運動、貯金の仕方も働き方も何もかもが変わって容貌まで変わって、脳のメカニズムが変化した。
そのキーとなる習慣を、キーストーン・ハビットという。

そして、悪しき習慣をストップし、良い習慣を身につけるには、努力ではなく、知恵だとこの本は言う。

また習慣とは、いかに消費者の行動パターンの要となっているか、そしてそれを逆手にとって、企業がどのような販売戦略を立てているかについても明かされている。

◎マクドナルドが画一的な店づくりを行うのは、なぜか。

◎歯磨き粉はなぜ後味スッキリさせているのか。

◎ファブリーズがヒットしたのは、単に匂い消しを宣伝したからではない。

◎米国の某アルミメーカーに新しく就任したCEOは、たった一つのことを目標に掲げたが、そのことが企業の体質そのものを変え、会社を立て直すことに繋がった。

◎依存症の人にとってアルコールの代わりになるものとは。

◎乳児の死亡率改善のためには、何から変えたらいいのか。

◎米国スタバの人材教育法とは。

◎ある病院で死亡事故が起こってしまった。また地下鉄の火災事故の対応を誤った。事故を見逃す組織風土を変えるには。

◎妊娠しているかどうかは、買い物データでわかる。

最後の章では、「習慣」が個人でも企業でもなく、社会そのものを変えていくということが挙例されていた。人種差別撤廃を叫んだ黒人のバスボイコット運動は、どうして始まったのか、またどうして続けることが出来たのか。この章は、一人の人間のふるまいと日ごろの行い、そしてそれがソサエティに与える影響はどのようにして決まっていくのか。

本の分量は多かったが、いちいちの例示が興味深く圧巻で、あっという間に読了。

コメント

タイトルとURLをコピーしました