アートは資本主義の行方を予言する by 山本豊津氏

電車のなかで、東京画廊の二代目経営者 山本豊津氏が著した本を読む。

第1章 資本主義の行方と現代アート
第2章 戦後の日本とアート
第3章 日本発のアートと東京画廊の歩み
第4章 時代は西欧からアジアへ
第5章 グローバル化と「もの派」の再考
第6章 「武器」としての文化

以下、共感したり印象深かったところ・・・

p25
アートというものは、有用性が高いものほど、価格は低くなる。
なんの役にも立たないものが、価格が高い。

p38
美術としての絵画は、歴史のなかでどのような価値があるかで判断される。
現在に、印象派のような作品を描いたとしても、フォンタナのようにキャンバスに切り込みを入れたとしても(歴史的文脈として)古いので、そのことに価値はない。

p46
美術は時に、武力や権力よりも人を動かす。
アメリカが経済力の次に支援したのは、アート。
1946のベネチアビエンナーレにおいて、ラウシャンバーグが最優秀を受賞。
これはアートの中心がパリからNYに移ったエポックな出来事だった。
アメリカだけではない。中国も韓国も国家予算を注いでいる。

p105
影響を受けた評論家は、中原祐介。理論物理学出身の視点。

p122
銀座にギャラリーが多い理由。資生堂ギャラリーが発端。

p136
アジアのアーティスト。
中国から徐冰(シュービン)。
偽の漢字を沢山作っている。→毛沢東が簡略化したこと、満州族などから独自の文字を奪ったことに対する強烈な批判。

p150
テートモダンが出来たときに英国大使館では、PRビデオを作りおもてなしをしながら上映会を行った。アートは外交である。アートを使っての外交が日本は少し遅れているかもしれない。

p158
村上隆について。スーパーフラット宣言。
歴史的文脈からの語りと物語性が大切。

p210
「美」は対象物との距離感から生まれる。

面白かったので、ご興味がある方はお読みになってください。

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